トップランナーに接したことはありますか?、逆の経験はどうですか?

以前「トップランナーの背中が見えますか?」というタイトルで記事を書きました。

この記事は開発競争という戦いの中で私自身が戦っていたときの想い出を書きました。

 

まず、タイトルに書いた『トップランナーに接したことはありますか』です。

私は30歳代40歳代のときにカスタマーサポートの仕事をしていました。

このときに取り扱っていた製品がかなり特殊な組み込みボードだったので

不具合の連絡を受けてお客様を訪問すると「これに組み込んでいるのですが…」と言われて見せられた機械が世界最速の半導体テスター(半導体工場の生産ラインで使う機械)だったり、

別の不具合の連絡を受けてお客様を訪問すると「あれに積み込む機材を検査するための機械に使っているのですが…」と言われて指さした先を見ると打ち上げ前の国際宇宙ステーションが巨大なクリーンルームの中に鎮座していたりしました。

 

そんなことで世界のトップランナーの仕事ぶりを垣間見るということを20年間ぐらい続けてきました。

トップランナーの仕事ぶりを見ると私の想像のはるか上を行く仕事ぶりで、思考回路が違うと感じさせられました。

 

次にタイトルに書いた『逆の経験』ですが、私は49歳の時に事業撤退によるリストラで会社を辞めたので50歳から現在までいろいろなアルバイトを転々としてきました。

 

このアルバイトの中で福島の除染の仕事が『逆の経験』でした。

環境省の仕事ということで、最優先なのが作業員の人数を確保することだったので

トップランナーと対極にある人が1割か2割ぐらい紛れ込んできていました。

これまた仕事ぶりを見ると私が想像できる範囲のはるか下を行く仕事ぶりでした。

 

人間の想像力には限界があるので、私が20歳代のときの仕事の延長線上にある仕事を続けていたら

『世界のトップランナー』がどんな仕事をしているのか想像もつかなかったと思いますし、

『対極にある人』がどれだけデタラメな仕事をするのかという想像もつかなかったと思います。

 

『世界のトップランナー』と『対極にある人』の仕事ぶりを見てきたことは私にとってすごく貴重な経験になっています。

 

この記事を書いたのはX(旧Twitter)で「この人は優秀な人の仕事ぶりを見たことがなくて想像もできないのだろうな」と思えるポストに接したからです。