偽減税
X(旧Twitter)で「偽減税」という言葉がときどきトレンドに上がるようになりました。
たとえば給料アップがインフレに追いつくまで時限処置で所得税を減税するという案が出ています。
私はBIS規制でメインバンク制が崩壊してそれぞれの企業が自己防衛のために内部留保を積み上げるようなったことが働く人の給料アップが停滞するようになったきっかけだったと思っています。
この状態が20年以上続いたために労働分配率がすごく下がりました。
労働分配率が下がったため優良企業では賃上げ余力は大きいです。
優良企業では賃上げ余力は大きいのですが、賃上げ余力があることと給料アップは結びつかないというのは過去20年間の歴史が証明しています。
今給料が上がってるのは「インフレに見合った給料アップをしろ」という声が力を持っているからです。
さて、今の経済環境のまま所得税を減税したらどうなるでしょうか。
「インフレに見合った給料アップをしろ」という声が力を失うでしょうし、
賃上げ余力が小さい企業は給料アップを止めてしまうかもしれません。
なので、給料アップを誘導するような政策が必要ですし、賃上げ余力が小さい企業に対するケアも必要ですが、岸田政権からはそのような声は聞こえてきません。
私は理系の大学で学んだので経済学のような文系の学問に関してはシロウトです。
私のようなシロウトがちょっと見ただけで「岸田政権が出してくる政策は怪しいですね」と指摘できてしまうあたりがX(旧Twitter)で偽減税という言葉がトレンドにあがる理由でしょうね。